新穂高より槍ヶ岳周回 ②
荒天の西鎌尾根を登る・・
◆槍ヶ岳・やりがたけ・長野県・3,180m◆
2009年9月22日(火)
【二日目行動時間 約6時間(休憩等含む)】
双六小屋(5:30)―樅沢岳(6:15)―千丈沢乗越(9:10)―槍ヶ岳山荘(10:20)
槍ヶ岳山荘(14:05)―槍ヶ岳(14:25)(14:40)―槍ヶ岳山荘(15:15)テント泊
暗闇の中の撤収作業は苦手
3時半に起床するけど寒さが行動を鈍らせます
30分ほどぼうっと過ごしたあとパンとスープの軽めの朝食
夜露で濡れたテントが重そうです
辺りには濃いガスが立ち込めていました
今のところ雨は降っていないけどこれからどちらに転ずるのか
早朝のテン場で今日の天気を伺う声が飛び交っています
「今日は曇りだよ」
誰かが言ったその言葉に少し安心
小屋前の道標に従い樅沢岳方面へ
(本日はコンデジ撮影)
ザレた斜面をジグザグに登っていきます
途中で5羽のライチョウに遭遇
そんなにいなくても・・と思っていると案の定ポツポツと
「・・・でもここは山だからね」
そういえばさっきの方はそんな言葉も付け足していたんだっけ・・
何も見えない樅沢岳山頂
単独の女性は足が悪く、松葉杖を突いて登ってきていました
ここで引き返していったけれど
そんな姿を見ると私も頑張らなきゃと思わされます
樅沢岳からは一旦下って更に小さなアップダウンが続きます
斜面を覆う草紅葉がとても綺麗
小雨は相変わらず降り続いています
次第に風が強くなってきました
尾根の北側と南側を行ったり来たりしながら続く道は
南側の道で風の影響を強く受け、雨も混ざってとても寒いです
前方にうっすらと見えてきたのは硫黄尾根かな・・
クサリ場もあるけど大したことはありません
とても歩きやすい道は晴れていれば素晴らしい展望だったはずなのに
歩きたかった西鎌尾根が今日はこんなお天気で本当に残念・・
尾根の北側の道は静かです
けれど南側に出れば状況は一変
高度を上げるほど風雨は益々強くなり体も揺さぶられるように
カメラを取り出すのも精一杯
手袋は濡れ指先に痺れも感じるようになり慌てて掌を握ったり開いたり・・
岩稜帯に突入
ザレて歩きにくいところもあるけど大して難しい場所はないと思いました
「鎌」という文字から難所のイメージがあった西鎌尾根だけど
数年前に歩いた東鎌尾根に比べ数段歩きやすい印象です・・この風雨を除いては・・
千丈沢乗越、この辺りからが本当の試練でした
回避する場所もない稜線では油断すれば吹き飛ばされてしまうような強風
千丈沢乗越から飛騨沢に向けて下山するルートも考えたけど
それでは真正面からこの風雨を受けてしまう・・
この時初めて、あってはならない二文字の言葉が脳裏をよぎりました
(この辺り、写真ありません・・)
考えてみれば3,000mの稜線上で初めて経験するこの悪天候
こんなに怖いものだとは思っていませんでした(もっと凄い日もあるのだろうけど)
とにかく寒い・・体温も低下してきてる様子
でも槍ヶ岳山荘まではもうあと少しだしここは行くしかありません
前後にいた方と励まし合いながら登っていきました
最後はガラガラの道をジグザグに登りつめ、ようやく辿り着いた槍ヶ岳山荘
心は完全に折れていたので今日の予定の南岳までの行程は諦めここで停滞することに
まだ早い午前中のこの時間、山荘内は人で溢れていました
受付で風当たりの出来るだけ弱いサイトを聞きテント設営
憧れていた槍ヶ岳山荘キャンプ場でのテント泊がこんな形で実現するとは思ってませんでした
初めての3,000mの稜線上でのテント泊(ちなみにこれまでの最高所は殺生ヒュッテ)
でもこのお天気の下では設営するのも大変でした
やっとの思いで設営を終えると転がり込むようにテントの中へ
体の震えがなかなか治まらず、とりあえず温かいものを次から次へと口に運びました
そうこうしてるうちにテントの中も温まり次第に落ち着きを取り戻してきました
外は相変わらずの天候だったけど、布一枚隔てたテントの中は意外なほど快適で
時々外の様子を伺いながらのんびりとした時間を過ごしました
と、その時・・
「ボンッ!」
テントが大きく揺さぶられ何かがぶつかった衝撃・・
えっ!?何!?
訳がわからないでいるとそのあと男性の叫び声
「あ``~~~っ!!」
「ど、どうしたんですか!!」
突然のことにこちらも驚いてかなり動揺、一体なにが!?
「テントが~、、、飛ばされちゃいましたァァ~~!」
えっ!!
実際見てはいないけど状況から察するに
組み立てたばかりのまだ固定してないテントが風にあおられ
一旦私たちのテントにぶつかったあと
更に飛ばされすぐ横の槍沢へ落ちていった・・らしい
あまりにお気の毒でその後の言葉をかけてあげることが出来ませんでした
その男性は真っ白にガスった槍沢を見下ろしているようでしたが
諦めたのかしばらくしてその場を立ち去っていきました
同じようなことが以前白馬でもありました
強風下でのテント設営は注意が必要なのだと
今回も近くでひとりで設営してる方がいるのを知っていたので
あの時手伝ってあげればよかったなと、後の祭りではあるけれどそう思いました
その彼のことを気にしながらテントの中で数時間を過ごし
気づくと風雨は治まっている様子
とりあえずピークは踏んでおかなければと山頂へ向かいます
2度目の道は空身のこともあってかスイスイ登っていけました
(主人のおしりばかりでスミマセン・・)
(左は登り専用・右は下り専用・・と決められている)
若干の渋滞があったものの20分ほどで山頂到着
山頂には20人くらいの方が所狭しと思い思いの登頂を喜んでいました
途中薄日が射してきて期待したけどガスは晴れることなく諦めて下山します
途中10人くらいの年配のグループが下山に手こずっていてかなりの大渋滞
のんびりモードの下山となったけど久しぶりの岩登りはとても楽しかったです
今日のテン場はかなり空いている模様です
テントに戻ると夕食の準備
今晩のメニューは
トマト味のリゾット、スープ、チーズ、ナッツ、等々
そしてそんなイタリアンテイストの食事に合うのは・・
赤と白、二人で2本空けました
明日が心配です (ヤケザケかも・・)
【三日目へ】
◆槍ヶ岳・やりがたけ・長野県・3,180m◆
2009年9月22日(火)

【二日目行動時間 約6時間(休憩等含む)】
双六小屋(5:30)―樅沢岳(6:15)―千丈沢乗越(9:10)―槍ヶ岳山荘(10:20)
槍ヶ岳山荘(14:05)―槍ヶ岳(14:25)(14:40)―槍ヶ岳山荘(15:15)テント泊
暗闇の中の撤収作業は苦手
3時半に起床するけど寒さが行動を鈍らせます
30分ほどぼうっと過ごしたあとパンとスープの軽めの朝食
夜露で濡れたテントが重そうです
辺りには濃いガスが立ち込めていました
今のところ雨は降っていないけどこれからどちらに転ずるのか
早朝のテン場で今日の天気を伺う声が飛び交っています
「今日は曇りだよ」
誰かが言ったその言葉に少し安心
小屋前の道標に従い樅沢岳方面へ
ザレた斜面をジグザグに登っていきます
途中で5羽のライチョウに遭遇
そんなにいなくても・・と思っていると案の定ポツポツと
「・・・でもここは山だからね」
そういえばさっきの方はそんな言葉も付け足していたんだっけ・・
何も見えない樅沢岳山頂
単独の女性は足が悪く、松葉杖を突いて登ってきていました
ここで引き返していったけれど
そんな姿を見ると私も頑張らなきゃと思わされます
樅沢岳からは一旦下って更に小さなアップダウンが続きます
斜面を覆う草紅葉がとても綺麗
小雨は相変わらず降り続いています
次第に風が強くなってきました
尾根の北側と南側を行ったり来たりしながら続く道は
南側の道で風の影響を強く受け、雨も混ざってとても寒いです
前方にうっすらと見えてきたのは硫黄尾根かな・・
クサリ場もあるけど大したことはありません
とても歩きやすい道は晴れていれば素晴らしい展望だったはずなのに
歩きたかった西鎌尾根が今日はこんなお天気で本当に残念・・
尾根の北側の道は静かです
けれど南側に出れば状況は一変
高度を上げるほど風雨は益々強くなり体も揺さぶられるように
カメラを取り出すのも精一杯
手袋は濡れ指先に痺れも感じるようになり慌てて掌を握ったり開いたり・・
岩稜帯に突入
ザレて歩きにくいところもあるけど大して難しい場所はないと思いました
「鎌」という文字から難所のイメージがあった西鎌尾根だけど
数年前に歩いた東鎌尾根に比べ数段歩きやすい印象です・・この風雨を除いては・・
千丈沢乗越、この辺りからが本当の試練でした
回避する場所もない稜線では油断すれば吹き飛ばされてしまうような強風
千丈沢乗越から飛騨沢に向けて下山するルートも考えたけど
それでは真正面からこの風雨を受けてしまう・・
この時初めて、あってはならない二文字の言葉が脳裏をよぎりました
(この辺り、写真ありません・・)
考えてみれば3,000mの稜線上で初めて経験するこの悪天候
こんなに怖いものだとは思っていませんでした(もっと凄い日もあるのだろうけど)
とにかく寒い・・体温も低下してきてる様子
でも槍ヶ岳山荘まではもうあと少しだしここは行くしかありません
前後にいた方と励まし合いながら登っていきました
最後はガラガラの道をジグザグに登りつめ、ようやく辿り着いた槍ヶ岳山荘
心は完全に折れていたので今日の予定の南岳までの行程は諦めここで停滞することに
まだ早い午前中のこの時間、山荘内は人で溢れていました
受付で風当たりの出来るだけ弱いサイトを聞きテント設営
憧れていた槍ヶ岳山荘キャンプ場でのテント泊がこんな形で実現するとは思ってませんでした
初めての3,000mの稜線上でのテント泊(ちなみにこれまでの最高所は殺生ヒュッテ)
でもこのお天気の下では設営するのも大変でした
やっとの思いで設営を終えると転がり込むようにテントの中へ
体の震えがなかなか治まらず、とりあえず温かいものを次から次へと口に運びました
そうこうしてるうちにテントの中も温まり次第に落ち着きを取り戻してきました
外は相変わらずの天候だったけど、布一枚隔てたテントの中は意外なほど快適で
時々外の様子を伺いながらのんびりとした時間を過ごしました
と、その時・・
「ボンッ!」
テントが大きく揺さぶられ何かがぶつかった衝撃・・
えっ!?何!?
訳がわからないでいるとそのあと男性の叫び声
「あ``~~~っ!!」
「ど、どうしたんですか!!」
突然のことにこちらも驚いてかなり動揺、一体なにが!?
「テントが~、、、飛ばされちゃいましたァァ~~!」
えっ!!
実際見てはいないけど状況から察するに
組み立てたばかりのまだ固定してないテントが風にあおられ
一旦私たちのテントにぶつかったあと
更に飛ばされすぐ横の槍沢へ落ちていった・・らしい
あまりにお気の毒でその後の言葉をかけてあげることが出来ませんでした
その男性は真っ白にガスった槍沢を見下ろしているようでしたが
諦めたのかしばらくしてその場を立ち去っていきました
同じようなことが以前白馬でもありました
強風下でのテント設営は注意が必要なのだと
今回も近くでひとりで設営してる方がいるのを知っていたので
あの時手伝ってあげればよかったなと、後の祭りではあるけれどそう思いました
その彼のことを気にしながらテントの中で数時間を過ごし
気づくと風雨は治まっている様子
とりあえずピークは踏んでおかなければと山頂へ向かいます
2度目の道は空身のこともあってかスイスイ登っていけました
若干の渋滞があったものの20分ほどで山頂到着
山頂には20人くらいの方が所狭しと思い思いの登頂を喜んでいました
途中薄日が射してきて期待したけどガスは晴れることなく諦めて下山します
途中10人くらいの年配のグループが下山に手こずっていてかなりの大渋滞
のんびりモードの下山となったけど久しぶりの岩登りはとても楽しかったです
今日のテン場はかなり空いている模様です
テントに戻ると夕食の準備
今晩のメニューは
トマト味のリゾット、スープ、チーズ、ナッツ、等々
そしてそんなイタリアンテイストの食事に合うのは・・
赤と白、二人で2本空けました
明日が心配です (ヤケザケかも・・)
【三日目へ】