白山 転法輪の窟 <前編>

歴史との対面・・


◆白山・はくさん・石川県・2,702m◆            
  
                                    2010年10月11日(月) 《前半主人と 後半単独》


【行動時間 約8時間(休憩含む)】
別当出合(5:40)―甚ノ助小屋(7:10)(7:20)―室堂(8:30)(9:05)―転法輪の窟(9:50)(10:00)―御前峰(10:25)―室堂(10:50)(11:10)―トンビ岩(11:25)―南竜山荘(12:00)―甚ノ助小屋(12:35)―別当出合(13:40)





一里野に車を一台デポしたあと市ノ瀬に戻って車中泊
3連休最終日を翌日に控えた市ノ瀬の広い駐車場はすでに多くの車で埋まっていました


夜中ぱらついていた雨も次第に止みテンションも上がってきます
暗闇の中、5時20分発のバスもほぼ満員状態で出発
3週間ぶりの山の夜明けも随分遅くなりました


たった3週間の間に山の季節は大きく移り変わっていました
半袖Tシャツじゃ寒すぎ・・
上着を着て歩き出すけど石階段の急登を終えるころには汗が大量に噴出
歩き出せばやっぱりまだまだ暑いです。。。


山肌を覆っていたガスも少しずつ晴れ天気は回復に向かっているようです
別当覗から見る観光新道の紅葉はまだ陽が当たらないせいか少しくすんで見えます
雲海に浮かぶ赤兎~大長山と後方の経ヶ岳がとても綺麗でした


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立ち止まって景色を楽しんでいると後続の方から
「さっきクマがいましたね」

今年に入って県内でクマを見たとの情報は例年の4倍とのこと
隣にクマが潜んでいることを知らずに歩いている常に危険と隣り合わせの私たち・・



建設中の「新」甚ノ助小屋は完成間近といったところ
完成したら一度泊まってみたいな
新しい小屋もみんなで大事に使わなくては・・
この日の砂防新道の紅葉は甚ノ助あたりが見頃といった感じでした


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(左・別山 右・荒島岳)
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十二曲りあたりは何度登ってもキツいところです
今日はこの前買った新しい靴のデビューの日
今のところ特に不都合な箇所もなく、濡れた岩の上を歩くときの安心感もこれまでとは全然違う。。。
ちょっとブカつくような感じもするけど・・紐の締め方が緩いのかな?
これまでの平紐とは違い、丸紐は結びやすいという長所があるけど緩みやすいとの欠点も・・


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黒ボコ岩を過ぎ弥陀ヶ原に差し掛かると急に風が強くなりました
向かい風の中、木道をゆっくりと歩いていきます
今年の白山の紅葉はこの夏の酷暑で残念な状況とのことだったけど
ナナカマドの真っ赤な実は秋の風景に十分彩りを与えてくれていました


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私の少し後ろを歩いていた主人が五葉坂あたりから急に遅れだしました
とりあえず室堂まで先に登り待っているとやがて苦しそうに足を引きずりながら登ってくる主人の姿
「えっ!?どうしたの!!!」


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両足太腿の筋肉が攣ってしまったとのこと
まさかここで!?と思ったけど
前日はゴルフの試合、一昨日は出張と多忙だったため疲労が溜まっていたのかも


とりあえず室堂センターの中に入って休憩
常時携帯している「バンテリン」を塗ってしばらく様子をみるけど足の攣りはなおも継続
ここまで道程のまだ3分の1程度でありこの先長い道のりを歩きとおすのはムリだろうとのこと・・


今日は砂防新道から大汝、四塚山を経て加賀禅定道を一里野まで縦走する予定でした
未踏の道を歩くのを楽しみにしていただけにこのトラブルはとても残念
主人は自分ひとりで来た道を戻るから私ひとりで行ってこいと言ってくれたけど・・





考えた末、あることを思いつきました
それはずっと以前から気になっていた場所
地図上に表記はあるけどそこへ行く道はない「転法輪の窟(てんぽうりんのいわや)」


少し前にある方からそこへ行く大まかなルートの情報を得ていました
とはいってもそこは道のない崖のような急斜面を下りていく危険な場所とのことで
いつか行ければいいなぁくらいにしか思ってなかったのだけど・・


主人にはしばらく室堂で休んでいてもらうことにして
急なことではあったけどその場所を探してみようという気になったのです



(いざ!!紐緩んでるけど・・汗)
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上手く探し当てられれば往復2時間くらいで戻れるかな?
カメラとペットボトル1本だけ持ち室堂を出発
身軽なので御前峰に向かう石段も軽やかです


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「そっちは違いますよ!」なんて誰かに言われるんじゃないかとドキドキしながら
人のいない時を見計らって登山道ではないその方向へ
初め緩やかだった斜面も次第に崖のような斜面になり
岩やハイマツの枝などを手がかりにゆっくりと下りていきます
固定されてない岩もあり、一度落石を起こしてしまいました(汗


この方角で合っているのかな・・かなり心配
時々後ろを振り返り自分の辿ったルートを確認しながら進みました
風が強くて帽子が飛ばされそう
ルートを見極めながらしばらく下りていくとやがて大きな岩壁を発見
あぁ、あれがそうに違いない!


あせらずゆっくりと・・
つまずけば滑落間違いなしの急斜面をトラバースしながらその方向へ向かいました





後編へ】

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